高千穂は、100%自然素材「シラス壁」をはじめとした住建材を通じて、健康で快適な住環境づくりを提案する環境企業です。
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考え方施工計画生物対応表


はじめに

 ビオトープはドイツ語の“BIOTOP”を起源とした言葉で、生物を意味する“BIO”と場所を意味する“TOP”から直訳されるように“生物の棲む場所”とした語意で、狭義には従来からあったその地域の自然環境及び生態系を復元する、言わば環境運動の代名詞として、広義には“野生生物種の存在によって特徴づけられる生息環境の創成”とした意味を持ちます。

 産業革命を起点として物質最優先主義の下に高度の経済成長を実現してきた人類は、その過程で様々なエネルギーを制御する“力”を獲得し文化的で且つ快適な生活を営む条件を整えました。しかし、その一方では加速度的に増す生産力に支えられて急激に進む人口増加に直面 し、急速に増大するエネルギー消費や地球資源の浪費は地球環境そのものに大きな傷を与える結果 となりました。最近、ビオトープづくりとして自然環境復元の試みがとみに着目されるようになったことの背景にはこのような環境の変化があります。

 高度物質文明、大量生産、大量消費が終わりを告げ、21世紀に向けて“人と環境の在り方”が大きな転換点を迎えようとしている今、新たな価値観を見い出し、新しいライフスタイルを創成する上で、“人と環境の永続的な共生”は大きな課題であり、“自然環境及び生態系の復元”は“人と自然の関わり”を指向する上で避けて通 ることの出来ない命題でもあります。

 こうした観点から、高千穂はビオトープに着目し、都市近郊、特に一般 居住区内にビオトープの原則に基づいた水環境を再現し、人の居住環境と自然環境との共存をはかる試みに着手致しました。ビオトープ運動は自然と人の融合した新しい居住環境の創成と新しいライフスタイルを提唱する意味で地域に根ざした自然系の復元を目指しています。


物質交代と水循環


 我々の生息環境の維持は概ね、水素、酸素、炭素系、窒素系の物質循環により成り立っています。水はこうした化学種が交代する際の溶媒として機能しており、水なしには物質交代を軸とした化学種の循環は成り立ちません。また、こうした物性を備えた水も地球上において殆ど絶対量 の変化しない循環系を形成している循環資源として捉えることが出来るのです。従って、バイオトープとして一定の水環境を創成する際には地球規模の水循環を念頭に置いた水利用を行うことが必要です。  このためには過去に培われた短絡的な概念、即ち、水を“使うことで減少する資源”、また、“質が劣化する資源”、更には“汚れたら交換する”といった従来の考え方を変えることが必要で、そのためには、水を“循環する資源”と捉え、“使用しても必ず元の姿に戻し循環して再使用する”とした観点に立つことが前提となります。

 さらに、こうした水環境の創成は人間中心ではなく、ましてや単なる鑑賞対象としてでもなく、直向きに地域生態系を包括する水環境を再現すること、または、そうした水環境を創成することに主眼を置くことが肝要であり、そのためには限られた水量 で循環する水質を常に良好な状態に保つ技術が必要となります。


地域生物学と水環境化学の融合点としてのビオトープ

 水に溶解した物質や化学種は意味なく消えることはありません。溶質物は物質交代を経て何らかの化学種に形を変えて存在し続けます。そして、こうした交代反応に深く係わるのが酸素の存在です。溶質物は酸素が付加されることで別 の化学種に酸化交代し、酸素を奪われることで別の化学種に酸化交代し、酸素を奪われることで別 の化学種に還元交代します。また、これら酸化と還元の生化学的交代反応は自然系における環境維持システムの根幹を成しているのです。

 しかし、大気圏内における小規模な水環境は大気の影響を受けやすく、大気の豊潤な酸素量 によって化学種は酸化傾向に傾きやすいのが現実で、従来の水管理技術の下では流入する有機・無機溶質物、水系に生息する生体の生命活動により生成される有機廃物等、初期段階の毒性物質(アンモニア等)を含めた化学種は酸化交代され、硝酸態窒素や硫酸塩、リン酸塩等の酸化物として水に蓄積します。水はこれら最終酸化物の蓄積によって富栄養化し、最終的にはpHダウンや藻や苔の繁殖による水環境の悪化を招くことになるのです。

 こうした現象を防ぐためには、これらの酸化物が水質を悪化させる因子として働くことを防ぐことが必要で、そのためには蓄積する酸化物を連続的に還元交代して大気放出し、対象となる水系を貧栄養状態に保つことが有効です。つまり、本案で指向する水環境作りでは自然界の環境維持システムの軸を成す対現象、即ち、溶質物の生物化学的酸化交代と還元交代の平行的な促進とその二つの反応系のバランス維持に主眼を置いた水環境維持システムを構築することが軸となります。

 我々の生命を育む自然系では水を媒体とした溶質物の大循環がこうした形で常に行われています。そして、自然浄化の行われた清浄な水環境の元では地域の自然環境に根ざした様々な生き物たちがその小さな命を育んでいるのです。高千穂の水辺ビオトープはこうした水環境維持システムを構築するための最新の水環境技術に裏付けられた自然系創生の試みです。